■ケンブリッジ■


 シンクレアの乗り捨てたローバーが、市内パーカーズ・ピース前の駐車場に入っているのが目撃された最初の時間は、午後三時。
 その半時間後、そこから公園の反対側に面しているホテル、ユニヴァーシティ・アームズのパーカーズ・バーで、著名なピアニストに似たブロンドの紳士が、二人の年配の紳士と飲んでいたのを支配人が覚えていた。…
 「シンクレアは多分、パーカーズ・ピースの中を通っていったんだろうな……」
 キムはふいとそんなことを呟いた。手島もそう思った。想像に過ぎないが、シンクレアはおそらく、ダートムアから走らせてきた車を乗り捨てた後、冬枯れの芝生を踏んで、あの広大なグラウンドをひとり黙々と横切っていったのだろう。そして《ギリアム》ともう一人の人物は、パーカーズ・バーの窓から、その寂寥とした姿を眺めていたのかもしれない。

 (高村薫 『リヴィエラを撃て』より)


【アクセス】
ロンドンのキングスクロス駅又はリヴァプール・ストリート駅から鉄道で約1時間。駅から街の中心部まで徒歩30分。

★Google Map→「parker's piece, cambridge



ケンブリッジ駅からパーカーズ・ピースへ向かうHills Road

パーカーズ・ピース Parker's piece
街の中心部にある広大な芝生の広場です。

ユニヴァーシティー・アームズの反対側。
シンクレアが車を乗り捨てた辺り。

公園を横切る道。
突き当りの右手にある茶色い建物がユニヴァーシティー・アームズ。

ユニヴァーシティ・アームズ・ホテル

【おまけ】
トリニティ・カレッジ
手島とキムの出身校。エリートですな。

ところで私はオックスフォードとケンブリッジでは、ケンブリッジの街の方が好みです。オックスフォードは明るい感じ、ケンブリッジは高村な感じ(笑)まあオックスフォードは友達と、ケンブリッジは一人で訪れたので、そのせいもあるかもしれませんが。





「リヴィエラを撃て」の舞台を訪ねて