ピーターラビットとワーズワースの舞台を訪ねて


これから湖水地方に行く方への私からのアドバイスは、一つだけ。
ウィンダミアやボウネスではなく、ニア・ソーリー村に泊まるべし。できれば数泊し、近隣の美しい村や美しい風景の中をのんびりお散歩してください。目的地を一つ減らしても、絶対にそうすべし。
間違っても団体ツアーバスでヒルトップで降りて、慌ただしくヒルトップ周辺だけを見学して数時間で村を去る、なんてことをしてはいけない。あれはお金を捨てるようなもの。


【アクセス】
London Euston」から途中Oxenholm Lake District駅で乗り換えWindermere駅下車(約3時間40分)。ボウネスピアからフェリーでウインダミア湖を渡り(約15分)、対岸のフェリーハウスからバスでニアソーリー村へ。私はB&Bのオーナーがフェリーハウスに車で迎えに来てくれました。

National Rail UK(列車乗換検索)


ウィンダミアで昼食をとり、ニア・ソーリーへ向かうためボウネスのフェリー乗り場へ。

ボウネスからカーフェリーでウィンダミア湖を渡ります。
ここから少し離れたところにも観光クルーズ用?の船の乗り場があったのですが、ニア・ソーリー村でお世話になるB&Bのオーナーさんが「フェリー乗り場で電話をくれたら、対岸に迎えに行くから」と指定したのはこのカーフェリーの方でした。

私が2008年に宿泊したニア・ソーリー村のこの宿はとても素敵なB&Bだったのですが、今は違うオーナーになってしまったようです。残念。。
 

宿に荷物を置いて、まずは歩いてお隣のホークスヘッド村へ行ってみました。
散歩道も気持ちがいい^^

ホークスヘッド。
とても小さな村です。

この村には、詩人ウィリアム・ワーズワースが学んだ中学校『ホークスヘッド・オールド・グラマースクール』があります。

ホークスヘッド・オールド・グラマースクール
イギリス文学に少しでも興味のある人は、絶対に内部見学をすべし!ですよ。

内部。教室です。

机に彫られたワーズワースによる落書き"W. Wordsworth"。
ガラスでカバーされて、大切に保存されています(笑)。
こちらのホームページで知ったのですが、大正初期にこの場所を訪れた日本人の方が、『湖畔(ワーズワースの詩跡を訪ねて)』という本の中でこの落書きとガラスカバーについて書いているそうです。
まるでこの場所だけが100年前から時が止まっているよう。ロンドンのカーライル博物館で感じた感覚と同じです。イギリスという国では、こういうことがしばしば起きる。

この村には明日またくる予定なので、再びニア・ソーリー村に帰りましょう。
朝にロンドンを発ってきたので、もう午後も遅い時間です。

The湖水地方な長閑な風景が広がるニア・ソーリー村。
とっても小さな村だけど、こんな風景の中で何をするでもなくのんびり過ごす時間は何ものにも代えがたい贅沢だと思うのである。
きっとポターも同じ気持ちだったのではないかな。

この村には、『ピーター・ラビット』の物語に登場する風景が今もそのまま残っています。
でもそれぞれの場所に案内板などはないので、下調べをしてから訪れましょう。

『Peter Rabbit's Almanac (February)』に登場するポスト。

『The Tale of Ginger and Pickles(「ジンジャーとピクルスや」のおはなし)』に登場する'Ginger and Pickles shop'。

'The Old Post Office'。
『The Tale of the Pie and the Patty-Pan(パイがふたつあったおはなし)』に登場。

'Anvil Cottage'。
『The Tale of Samuel Whiskers(ひげのサムエルのおはなし)』に登場。

『The Tale of Samuel Whiskers(ひげのサムエルのおはなし)』に登場する、鍛冶屋横丁。

同じ小路を、Anvil Cottage側より。

'Buckle Yeat'(B&B)。
『The Tale of Tom Kitten(こねこのトムのおはなし)』に登場。
だんだん日が暮れてきました。
こういうニア・ソーリー村を体験できるのも、この村に宿泊しているから。

'Tower Bank Arms'(パブ)。
『The Tale of Jemima Puddle-Duck(あひるのジマイマのおはなし)』に登場します。


夕食は、このTower Bank Armsにていただきました。
ていうか、ここしか夕食をとれる店がない(笑)。
宿のオーナーが「帰り道は灯りがなくて真っ暗になるから」と懐中電灯を持たせてくれました。電池式ではなく手回し式!本当に真っ暗だったので、助かりました。
そしてパブへ行くと、、、さっき話したばかりのオーナーのおっちゃんがカウンターで飲んでいるではないか^_^; 。観光客ぽい人も数人いるけど、ほとんどはここの村人ぽい人達。どこでもパブは住民の憩いの場なんですね。

一日目の夕食。
マッシュルームのストロガノフだったか、そんなの。

美味でありました♪
イギリスのパブの濃い茶色の木のテーブルと椅子、そして薄暗い照明が大好き。カリブの海賊みたいでワクワクする。

翌朝。
おはようございます。
どうしてみんな(羊)こっちを見ているんだい?

宿の朝食。

フル・イングリッシュ・ブレックファーストです。
トーストがあるのにメインに揚げパンがある。このことを英国人は不思議に思わないのだろうか。大阪人が「たこやきはおかず」と言うのと同じなのだろうか。
美味しかったです♪

まずは、お隣のファー・ソーリー村へお散歩。

こちらの羊さん達も、おはよ〜。

ファー・ソーリー村に到着。
村というか、家がいくつかあるだけというか、ニア・ソーリーよりもさらに小さな村です。

でもこんな可愛らしい雑貨屋さんも♪

なにやら教会らしき建物が見えてきたので写真を撮っていたら。
ふと見ると手前のお宅で庭の手入れをしているおばちゃんが気を利かせてしゃがんでくださっているではないか・・・!
わ〜すみませんっ(汗)!でもお宅のお庭もとってもビューティホーなので一緒に写真に入れさせてくださいませ〜。

教会には普段は鍵がかかっているらしく、おばちゃんが鍵を開けてくれました(おばちゃん何者!?)。

帰ってゆくおばちゃん。
ありがと〜!

St Peter’s Churchという教会だそうです。
清潔感のある教会。

「The building of this large Victorian Church was completed in 1869 to a design by Robert Brass. The Church is in the style of early English Gothic, and is built mainly of local slate rubble with sandstone dressings.」とのこと。

教会から望むファー・ソーリー村。

ニア・ソーリー村に戻り、同じB&Bに宿泊していたオランダ人のご家族と一緒に、ポターの家「ヒル・トップ」へ。ニア・ソーリー村の宿泊者は優先的にヒル・トップを見学させてくれるのだそうで、宿のオーナーさんが事前にヒル・トップに電話で連絡を入れておいてくれました。
このオランダ人のご家族は一週間もニア・ソーリーに滞在して、あちこちお散歩しているんですって(^-^)  あなた方は王族ですか!?というような品のあるご家族で、巻き毛の少年は天使のような美しさでありました。


ヒルトップ。
内部は写真撮影禁止なので、畑側からパチリ。
建物の内部は薄暗く、家具も小物も想像以上にポター&ピーターラビットの世界そのまま!

ピーターが顔を出しそうな畑。

イギリスのガーデンでよく見る、こういう扉もとても好き。
『秘密の花園』の世界ですよね。
午後は、再びホークスヘッド村へお散歩です。

ホークスヘッドの小路。

赤い看板の家は、Anne Tyson's House。
ワーズワースが少年時代に下宿していた家です。

ホークスヘッドにも、ポター関連の場所がいくつもあります。
これは『The Tale of Johnny Town-Mouse(まちねずみジョニーのおはなし)』に登場する通り抜け小路。

この小路のモデルはここだ、というネット情報も多いのですが。

絵的に、こっちじゃないですかね?
調べたところ、ギャラリーのスタッフに確認をした方がいるらしく、こちらが正しいようです(といってもポターがそう書き残してるわけではないと思いますが)。

ホークスヘッドにはこういう通り抜け路が迷路のようにあちこちにあります。こういう風景、大好き♪
ちなみに右手の黄色い建物『Relish(レリッシュ)』は、ここホークスヘッドに本店がある有名なジャム屋さん。

※追記:左の写真のアーチウェイは「『パイがふたつあったおはなし』で、ダッチェスとリビーがすれ違うもののおじぎをするだけで話をしなかった場所」という情報がありました!

ビアトリクス・ポター・ギャラリー。
ポターの絵本の原画を展示しています。
17世紀築のこのタウンハウスは、ポターの夫の法律事務所でした。内装は当時のままなので、部屋や家具を見るのも楽しい♪ ヒルトップと同様、ナショナルトラストが管理しています。

ホークスヘッドからバスに乗り、アンブルサイドへ。
こちらは長閑なニア・ソーリーやホークスヘッドと比べると、大きな町です。
ウィンダミアやボウネスのようにショップも多く賑やかな観光地という感じで、私はあまり好みの町ではありませんでした。他の村に行けばよかったな、とすこし後悔。

橋の上に建つ家、ブリッジ・ハウス。17世紀築。

アンブルサイドの丘の上からウインダミア湖を一望できる絶景の場所がある、と何かで読んだので行ってみたのだけれど。
・・・たしかに湖を一望はできるけれど、絶景、かなあ?
ここで合ってるのかなあ?まあ、ここということにしよう。
と写真を撮って、下山

時間も遅くなってきたので、バスでニア・ソーリー村へ戻りましょう。

夕食。
再び、Tower Bank Armsにて。
これは何だったかな?でも、みんな美味しかった!
イギリスってレストランの食事よりもパブ飯の方が美味しい気がする。

今日は、ニア・ソーリー村を発つ日。
お天気もいいので、早朝のお散歩に出かけましょう。
こんなことができるのも、宿泊者の特権です。

この夢のように美しい景色とも今日でさよならかぁ。

と感傷に浸っていたら。

ん・・・?あれは・・・


ピーターじゃないの!!!
どこにいるのかと思っていたら、早朝にお散歩していたのね。

ピョンピョン跳びはねてて、可愛かった(^-^)

ん・・・?あれは・・・


なに・・・?
仲間とはぐれた牛?野生牛?
牛を大自然の中で一頭だけで見ることってあまりないから、不思議な感じ。。

ヒルトップや宿がある辺りから少し下の方へおりていくと、『The Tale of Mr. Jeremy Fisher(ジェレミー・フィッシャーどんのおはなし)』の挿絵に描かれたエスウェイト湖があります。

白鳥がのんびりと泳いでいました。
フィッシャーどんが乗っていたような睡蓮の葉も。

朝食をとるために、宿に戻りましょう。
今日はこれからウィンダミアに戻り、鉄道でハワースに向かいます。

またくるね〜!

カーフェリー乗り場まで送ってもらいながら宿のオーナーに「ピーターラビットそっくりのウサギがいた!」と興奮して報告すると、
「この辺にはたくさんいるよ。あれ、シチューにするとすごくうまいんだよ!」とニコニコ。
え、殺しちゃうの?!
「銃で撃つのさ〜」
宿のオーナーがマクレガーさんだったとは。最後に明かされる衝撃の事実(笑)。




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